
このサイトは、静岡の工作機械メーカーSAIDA・UMSが進めている“21世紀型汎用旋盤デザインプロジェクト” の概要をお知らせするとともに、完成・発表までの期間、多くの方々と開発の魅力やその醍醐味を共有するために生まれました。
只今、我々開発チームは 2012年11月に東京ビッグサイトにて開催されるJIMTOF 2012(日本国際工作機械見本市)での初公開にむけて、全力で開発・製品化に取り組んでおります。このサイトを通じて、知られざる工作機械開発プロセスの臨場感を是非お楽しみ下さい。
かねてから、汎用旋盤の製造現場・教育現場での有用性を強く意識してきた工作機械メーカーSAIDA・UMSは2011年に創業90周年を迎えるにあたり、数年前から汎用旋盤を新規に製品化する構想を練ってきました。新しいコンセプトの汎用旋盤を製品化したいという熱い思い。そして、それをどう“カタチ”にするのか…、SAIDA・UMSは模索します。
そして2009年、SAIDA・UMSは新社屋エントランスに立体造形制作を依頼した造形作家・鯱丸邦生に旋盤デザインの依頼を打診。常に工芸を工業芸術と捉え、自身も作品制作をとおして金属加工を行っている鯱丸は、初会合の場で独自の視点から様々なデザインアイデアを展開、単なるデザインの受注ではなく、“企業コラボレーション作品制作”という強い意思をもって旋盤デザインに臨むことを決意したのです。
通常、決して現場で交わることのない、この二者が、新旋盤開発のベクトルを共有した時、“21世紀型汎用旋盤デザインプロジェクト”は動きだしました。
サイダ・UMS
精密工作機械・産業機械 加工・組立
http://saidagroup.jp| 1921年 | 創業。船舶用内燃機関部品加工スタート |
|---|---|
| 1958年 | 株式会社に改組 |
| 1979年 | スター精密㈱取引開始 |
| 1987年 | 中小企業長官賞受賞 |
| 1990年 | 中小企業合理化モデル工場指定 |
| 1991年 | 労務管理改善県知事褒状受賞 |
| 1995年 | サイダブランド汎用旋盤製造開始 |
| 2001年 | ISO9001認証取得 |
| 2003年 | ㈱サイダ・UMSに社名変更 |
| 2007年 | ㈱サイダ・FDS設立 |
| 2008年 | 新事務棟 新設 |
静岡県焼津市一色。駿河湾からほど近いこの土地に、工作機械メーカー「サイダ・UMS」はあります。前身の斎田鉄工所の創業から数え、90年という長い歴史の中で培われてきた確かな技術とノウハウを生かし、これまで数多くの製品を世に送り出してきました。また、近年は工作機械だけでなく、様々な環境機器等の開発にも積極的に取り組み、未来へ向けた製品・技術を自社開発しています。
鯱丸邦生
造形作家
http://www.shachimaru.jp/drawing/| 1970年 | 神奈川県生まれ |
|---|---|
| 1994年 | サントリー美術館大賞展 |
| 2001年 | 三鷹の森ジブリ美術館 「屋上ロボット兵」制作 |
| 2003年 | フィリップ・ドゥクフレ演出「IRIS」 舞台美術 |
| 2006年 | 日本テレビ本社「日テレ大時計」制作 |
| 2007年 | 三鷹の森ジブリ美術館「ETORIN」制作 |
| 2009年 | Wild Swans直営店 C.O.U. 店舗デザイン・作品制作 |
| 2010年 | SAIDA本社 作品「轍」制作 |
山梨県大月市。焼津からは富士山を挟んでちょうど反対側に位置しています。造形作家 鯱丸邦生は、この地に自身のアトリエを構え、金属や木材を素材とした作品を生み出し続けています。制作過程における手作業を重視する制作姿勢と、技工への探求心に裏付けられた細部へのこだわりが、作品のモノとしての存在感を際立たせ、美術作品という枠ではとらえる事の出来ない独特の世界を生み出しています。
そして2010年、鯱丸の発案により、【Versatility】多才、【Eccentric】風変わりな。この二つの言葉の意味を融合させ、【VERSEC】ヴェルセックは誕生したのです。
旋盤、この手動操作により回転体を切削する道具の歴史は古く、紀元前にさかのぼるとも言われています。近代の機械旋盤は産業革命のイギリスで考案・発明されました。以後汎用旋盤(Manual Lathe)あるいは普通旋盤(Engine Lathe)と呼ばれ、進化発展しながら世界中のものつくり・産業に貢献してきました。
しかし、ここ30年の急速な工作機械のNC化(Numerical Control)の流れにより、世界中で汎用旋盤の製造から撤退するメーカーが後をたちません。ただ、どんなに時代が進もうとも、製造現場、研究現場における汎用旋盤の“モノを生み出す道具”としての価値が変わる事はありません。
そうした中「モノづくりの国」と呼ばれる日本の製造現場での“手の復権”、そして、自国の機械製造技術の継承のためにも開発チームは、かつてないほどの意欲と理想をもって当プロジェクトに取り組み始めました。
機械旋盤は“母なる機械”(Mother Machine)とも呼ばれる工作機械で、基本構造は産業革命の時代から殆ど変わっていません。この完成され、普遍的な「形」「機能」を有している機械を21世紀の技術を活かしてどのように進化させるのか・・・。“普遍”のなかに新たな可能性を見出すべく、開発はスタートを切りました。

開発チームが主眼においたのはこの3つのポイントでした。徒来からの普遍的な汎用旋盤としての操作性をふまえつつ、21世紀に即した多様な素材加工を、使用者が徒来通りの操作性で旋盤作業が出来るのはもちろん、カスタマイズによってマシンを“進化”できる可能性をも随所に宿らせました。
それは、作業者の加工アイデアが即マシンに反映できるという多くの可能性に満ちあふれた、まさに“普通ではない普通旋盤”となるのです。
造形作家 鯱丸邦生
ドローイングイメージから全体のボリュームとフォルムを検討するための 1/5 スチロールによる初期スタディーモデル
デザインディテール、使用感、機械寸法等を検討するための1/1・原寸大
段ボールによるモックアップモデル
※ 開発中のため実際の製品とは形状が異なる場合があります
VERSECの高い操作性を引き出すのは心臓部にそそぎ込まれる卓越した技術。
作業者の呼吸がダイレクトに伝わる滑らかなサドル・エプロンの動き、そして、操作フィーリングにも優れた芯押し台など、熟練工よる 摺動面の入念なキサゲ加工をはじめ、基本部分に織り込まれる質の高い加工技術や卓越した組み立て技術の数々が、操作する楽しさと所有する悦びを生み出すに違いありません。
VERSECはまさに“Made in Japan”の名にふさわしい汎用旋盤なのです。

芯間850mm、主軸貫通孔52mm、最大振り480mmという中型旋盤に匹敵する能力を有しながらも全長1800mmというそのコンパクトボディには、主軸・親ネジ駆動、共に独立してサーボモーターを搭載。 この機構により、作業者は従来のギヤ比駆動に制限されることなく、送り速度を自在にコントロール出来るという汎用旋盤の未知の可能性を手にいれることになるのです。
そして、 安定感のある主軸と親ネジ駆動の無段変速は、未だかつてないオペレーションパネルの優れた視認性と操作性により旋盤作業の拡張性をより高い次元で可能にします。
※ 製品開発中の為、上記仕様は予告なく変更することがありますのでご了承下さい。